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採・取・捕・盗・獲

 例年のことだが、筍がにょきにょき生えてきた。初めは「採る」なんて言いたい気分だが、すぐに「取る」「捕る」になる。取っては配り、捕っては送り、しているうちに、やがて誰か「盗って」ほしいと思うようになる。それでも今年は、若い弟子ができたので助かった。小雨が上がり、空を見上げて「取りに行ってくれる?」と訊くと、彼は竹藪を恐い顔で睨みながらも「はい」と答える。なんだか筍ではなく、猪でも「獲」りに行くような風情なのである。