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芽出たい

感想文をお寄せくださり、ありがとうございました。本はいろんな環境、境遇で読まれるということの、怖さと有り難さをあらためて感じました。さてどうやら春である。日本人は正月から春といい、旧正月でも節分でも、春だ春だと招きつづけているが、それがようやく、本格的に来たのだから嬉しい。もともと「めでたい」という言葉も「目出度い」ではなく「芽出たい」なのである。こうなると、本堂前に残っている雪も可愛らしい。すっかりしょげかえって汚れたまま、蹲っているのだが、「もう少しゆっくりしてったら」なんて、こちらも余裕が出てきた。本当に人間は、いや、私は現金である。ところで今月は、『サンショウウオの明るい禅』(海竜社)という本が出る。いったいぜんたいサンショウウオと禅がどう関係するのかと訝る方もいらっしゃるだろうが、まずは春の到来に免じてお許しいただきたい。サンショウウオの態度を「ゆらり」「てきぱき」「どっしり」「ふふふん」「ひょん」で分けると、これまで私の書いたものが不思議にそのどれかに収まるのだ。第2エッセイ集だが、とても気に入っている。今回の本も挿絵から表紙まで、『死んだらどうなるの?』に描いてくださった川口澄子さんにお世話になった。このサンショウウオの絵が、またいいのである。

書籍情報



題名
サンショウウオの明るい禅
出版社
海竜社
発売日
2005/4/11
価格
1470円(税別)
ISBN
9784759308631
Cコード
ページ
205
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題名
【文庫】サンショウウオの明るい禅
出版社
文藝春秋
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発売日
2009/6/10
価格(税抜)
590円(税別)
ISBN
9784167692049
Cコード
ページ
208
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題名
死んだらどうなるの?
出版社
筑摩書房
出版社URL
発売日
2005/1/27
価格
760円(税別)
ISBN
9784480687036
Cコード
C0210
ページ
160
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