資生堂の福原義春さんは大変な読書家としても知られるが、嬉しいお葉書が届いた。『梵行』を読まれ、「うっかり他のことを忘れてしまいました」とあった。また『荘子と遊ぶ』も「二回ほど読み返しました」と。とても嬉しい。福原さんほどの方が「うっかり忘れた他のこと」とは何だったのか、気になるが、読書というのは、映画に比べると日常に接しながらしなくてはならないのが辛い。映画館のように、図書館でどっぷり読書できるのは非常に羨ましい。もう何十年そんなことをしていないだろう。学生さん、できるうちにしといてくださいよ。