カテゴリー: 未分類

梵行

 「雪月花」、いつになったら更新するのかと催促されてしまった。申し訳ありません。本当にあっという間に秋も深まり、今朝の三春では「お天気雪」のような霙が降った。ところでとうとう『梵行』が出た。玄侑宗久初の官能小説、などと言う人もいるが、ある意味ではそうなのかもしれない。性も自然であるなら清浄そのもの。しかし何が自然なのかが何より難しい。空海が将ち来たり、最澄が閲覧を頼むが断られたという『理趣経』。この小説は、その『理趣経』への小説的挑戦かもしれない。と、いうことは、やはり自然を目指した不自然の一つなのだろう。さっきの霙がウソのように霽れ、今は紅葉が美しい。自然もウソのように変わる。ウソもマコトも自然の属性か。