日: 2011年4月25日

第2回復興構想会議

 23日の第2回復興構想会議では、いくつか具体的な提案を行なった。檀家の橋本善一郎さんによる菜種・ヒマワリでの土壌セシウム吸収策もその一つで、名づけて「イエロー作戦」。これは現在作付けを迷っている農家の救済にもなるし、避難民を雇用できる仕事にもなるだろう。汚染された土壌に対して手をこまねいて何もしないことは国際社会にも申し訳が立たない。なにより農家もとにかく仕事がしたいのだ。当然、そこで発生する雇用経費は、東電から支払われるべきだろう。汚染された土壌を復元することは本来汚した側の責任だからである。雇用経費ばかりでなく、種の準備など国や県に手伝ってほしいことも数多くある。
 三春町では、三春花園にすでに油の圧搾機やそれをバイオ・エネルギーに変える設備が完備されたが、県内各地、あるいは県外でも、そのような基地が数多く作られる必要がある。設備投資やそのオイルの利用法のノウハウなどについて、農産省やJAなどのご協力がほしいところだ。
 会議終了後、福山官房副長官から、菜種についてはすでに動き始めているとの言葉を得た。ありがたい。実施に当たってはいろいろ厄介な問題があるかもしれないが、なんとかこの「イエロー作戦」、今年の夏に間に合わせてほしいと思う。夏に咲いてもらうためには5月中に種を植えなくてはならない。復興構想会議が第一次提言をまとめる6月末では遅いのである。
 もう一つ、昨日提言したのは、そろそろ国際社会に対し、正式な謝罪を、総理からしてほしいということだ。海洋汚染や空気中への放射性物質の放出継続について、各国はとても神経質になっている。今度の大震災に対しては、じつに多くの国々から援助も得ている。これも福山官房副長官の話だが、これらの国々への御礼は、外務省を通し、各国に対してすでに行なったが、お詫びはまだ正式にはしていないという。なぜなら「まだ継続中なので」ということだったが、制御できず継続中である事態こそまずは詫びるべきではないだろうか。
 そして最後に提案、というより、伺う形だったのだが、我々一般市民の感覚からすれば、これだけの人的被害を出した今回の原発事故は、むろん意図的ではないにしても、ほとんど犯罪的である。いったいいつまで国は、東電という会社の自主的なやり方に任せているのだろう。市民感覚からすれば、ほとんど容疑者が記者会見を開いているようにさえ見えるのだ。
 一時的にでも、東電だけでなく10の電力会社すべてを国家の管理下に置き、人材や技術を福島第一原発に集約できるシステムを作るべきではないか。安全な収束まで6ヶ月から9ヶ月かかります、ああそうですか、と言ってる場合ではないだろう、ということである。
 今後の原子力発電への不安に対しても、いざとなれば国が全責任をもち、収束に向けてリーダーシップをとる姿を示してほしいのだ。
 それにしても、今回の会議もいろんな意見は出たが人数と時間のかねあいもあり、何の結論も出ずに終わった。各県知事さんの復興案なども、膨大で総合的だが、それだけに聞くだけで終わってしまった感がある。予めテーマをもっと絞り込む必要を感じる。
 安藤忠雄氏が言われた「鎮魂の森」という発想が、とても印象深かった。