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開甘露門の世界

最近、禅文化研究所から、『開甘露門の世界』という本が刊行された。「開甘露門」というのはお盆のお施餓鬼にとなえるお経なのだが、それだけでなく、この本には「開甘露門」の成立に関与する各種経典の訳注も併せて収録されている。読んでいると、昔の人々がいかに「救済」を真剣に考えていたかが伝わってくる。近頃は、救済を求める人々が明らかに増えてきている。宗派によらず、この本は僧侶必読の書だと思う。一般の方には、私も意味にとらわれずただひたすら「般若心経」など暗記してほしいと申し上げているが、僧侶の場合はそうはいかない。ただ暗記だけしているお経の意味を学び、救済へと向かう菩提心をあらためて確認すべきである。

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