12月8日が近づくと、やはりどうしても臘八大摂心を憶いだす。日本の各地で、厳寒のなか坐禅を組みつづける人々が大勢いることを想い、身が引き締まると同時になにかほっこりと温かい気分になるのである。うちのお寺でも8日には成道会の儀式を行ない、集まった檀家さんたちと共に味ご飯にけんちん汁をいただいた。今年のけんちん汁も美味しかった。道場ではこの摂心中、常に茶飯とけんちん汁と決まっているのだが、けんちん汁で温め、茶飯で冷ます、そのバランスがいいのだろう。むろん、ほっこりした気分になるのは、そんなメニューを憶いだしたせいではない。