このところ、二度に亘って消防署に出かける機会があった。署長の話によると、全国の消防署にも合併して大規模化する動きがあるらしい。なんでも人口30万人以下の市町村の消防署は、30万人以上の行政区の消防署に吸収されることが推奨されているらしい。むろん、推奨しているのは国家であり、それは推奨というより強制にちかい。しかもこの3月までに、合併吸収の策定案を県に提出しなくてはならないらしい。大規模災害に備えて大規模消防署を、と国は云うのだが、日常のきめ細かなこれまでのサービスは当然失われる。田舎ほど、救急車の到着時間はどんどん遅くなる。南会津ではお産のできる病院がこの春からなくなることが確定した。首相は今日の国会答弁でも、いずれ道州制を導入したいと言っていたが、いったい何を考えているのだろう。ここに来て、日本に似合ったこれまでの制度が、音を立てて崩れだしている。お国柄に合わない制度が次々にお国柄を潰していく。現在の国家は、地方を踏みにじるだけでなく、日本という国柄をも踏みにじる組織であるらしい。道州制とはいったいどんな立派な国のマネなのか。