日: 2011年4月26日

イエロー作戦

 23日の第2回復興構想会議で提案し、その晩のNHKスペシャルでも話し、さらに26日の東京新聞・中日新聞にも載ったため、「イエロー作戦」については全国あちこちからご意見やご協力の申し出などがあり、また貴重なご忠告もいただいた。
 すでに数キロ、ヒマワリの種を集めたという人もいれば、種代を寄付したいという方もいる。とてもありがたいことなのだが、じつは少々勇み足だったのではないかと、反省もしているのである。
 もともと菜種を植えるというのは、チェルノブイリ事故からの復旧策としての「ナロジチ再生・菜の花プロジェクト」を参考にしたわけだが、これは20年も農地を放置した挙げ句のこと。その間に、セシウム137は表層から20センチほど沈み、ストロンチウム90は40センチも沈んでしまったので、菜の花で吸い上げる策が有効だったようだ。
 福島の現状では、放射性物質はまだ表層ちかくにある。せいぜい1~2センチ表土を削りとれば、大きく改善されるというのである。菜の花を植えるためにその畑を耕すと、却って放射性物質まで鋤き込んでしまう。そうなっては取り返しがつかないと、忠告をいただいたのだ。
 今月26日には、チェルノブイリ事故後25周年ということで、名古屋で集会が開かれた。チェルノブイリ救援・中部(チェルQ)の2人の理事からの報告でも、そのことが告げられたようだ。チェルQは今月18日~21日福島県内に入り、汚染状況の調査等を行なった。農家や消費者、南相馬の市長などとも対話したらしいが、その報告のなかで、彼らはナロジチの話と混同しないようにと警告したのだそうだ。
原発から数キロ以内の、継続的に汚染されている土地を除けば、今は表土を削ぎとればほとんど復元されるというのだ。調査した果樹園にはすでに一面に雑草が生えていたらしいのだが、そこでも草を根こそぎ抜いてしまうと地面はほとんど汚染されていなかったそうだ。
 問題は削ぎ取った土や抜いた草の始末である。東電の敷地内に運ぶのがベストなのだろうが、そうなると今は無理だというしかない。
 また個人レベルで農家ごと表土を削いでも、結局畑の隅に積んでおいたのでは何の意味もない。これはかなり、大々的かつ組織的に運搬・廃棄まで行なわないといけない大事業である。
 やはり今夏のヒマワリは諦めるしかないのだろうか?
 ともあれ、梅雨が来るまえに、なんとか表土対策ができないものだろうか?
 昨日、今日と、私のところに二つの貴重なアイディアが寄せられた。一つはセシウムを吸い取る人工ゼオライトは使えないか、という資料。(すでに東電は高濃度汚染緩和のため、海中にゼオライトを使っている)もう一つは、これは私も知らなかったのだが、「活性炭素系黒体」という代物の可能性である。
 いずれも放射性ヨウ素やセシウムを吸着するのは間違いなさそうだが、これを吸着したうえで分解するすることもできるのかどうか、検証が必要である。しばし調査して、またご報告申し上げたい。