なにを隠そう、じつはラオスに出かけて象さんに乗ってきた。長年の夢だったから、とても嬉しい。ラオスには野生の象もたくさんいるらしいが、むろん私が乗ったのはトレーニングを受けた象で、なんと同乗したラオス人の、言葉の指示で動く。体力も旺盛な45歳のメスで、名前は川の名前からつけられたメナムである。背中に取り付けられた椅子では満足できず、私はメナムの肩に乗せてもらった。約1秒に一歩というゆったりした歩みが、林から坂道、そして川やブッシュへと私を運んでくれた。単なるお荷物の客ではあったが、メナムがさほど嫌がってもいないふうだったのが嬉しかった。気温は38度くらい、メナムの体温もそのくらいだろうか。