桜花爛漫の花吹雪である。今年はあっという間に散っていってしまった感じがする。18日の滝桜には7万人もの観桜客が訪れたらしいが、毎年のことながら恐れ入る。掲示板には天龍寺開山、夢窓疎石の歌。「心ある人の訪ひくる今日のみはあたら櫻のとがを忘るる」。今朝、書道家だという方から「桜のとがとは何か」というご質問を受けた。きっと観櫻のため遠くから訪れる方には分かりにくいだろう。たしか在原業平だったか。「世の中にたえて櫻のなかりせば春のこころはのどけからまし」。滝桜の近所に住む人々など、あの櫻がなければどんなにか春はのどかだろうと思うに違いない。返歌。「散ればこそいとど櫻はめでたけれ憂き世になにか久しかるべき」。そう。諸行無常、残る櫻も散る櫻である。
2009年4月19日
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