梅雨空の下を、山繭からかえった蛾が飛んでいる。蝶を意味するギリシャ語の「プシュケ」が、同時に「いのち」や「魂」をも意味したのが、なんとなくその飛び方を見ていると納得できるようにも思う。根気づよく見ていても、どうにも規則性が感じられないその様子に、ふとなにか大きな存在を感じるのだろう。ホメロスはそれを「呼吸」の意味に用いた。そういえばあの動き、誰かの呼吸で揺れているようにも見える。
2005年7月12日
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