筍が出てきた。今年の筍は、雪が長く地面を覆っていたせいか、旨いという前評判だった。うちの竹藪の初物をきのう食べたが、確かに旨かった。しばらくすると、ご近所に配るのが忙しくなる。そしてまたしばらくすると、「まだ生えてくる」と嫌がりだし、食べるのにも配るのにも疲れて、ただ蹴り倒して歩く日々がくる。こうして書くと、なんて身勝手で、恒心のない態度だろうと思うのだが、こればかりは仕方がない。思えばそうして蹴り倒す作業も、竹藪の維持と、また来年美味しい初物を食べるためには必要なのだ。べつにこれはなんの喩えでもない。あまり深く考え、人生なんかと結びつけないでね。今のところ筍はまだ、とても美味しく感じられる。
2005年5月8日
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