例年のことだが、筍がにょきにょき生えてきた。初めは「採る」なんて言いたい気分だが、すぐに「取る」「捕る」になる。取っては配り、捕っては送り、しているうちに、やがて誰か「盗って」ほしいと思うようになる。それでも今年は、若い弟子ができたので助かった。小雨が上がり、空を見上げて「取りに行ってくれる?」と訊くと、彼は竹藪を恐い顔で睨みながらも「はい」と答える。なんだか筍ではなく、猪でも「獲」りに行くような風情なのである。
2010年5月28日
最近の投稿
- ユーウツの先へ ( 2024年1月1日 )
- ドクロの眼 ( 2023年1月1日 )
- 引いて進む ( 2022年1月1日 )
- 頌春 ( 2021年1月1日 )
- 謹賀新春 ( 2020年1月1日 )
- 新年のご挨拶 ( 2019年1月1日 )
- オンデマンド「アミターバ」 ( 2018年5月1日 )
- 約束 ( 2018年1月18日 )
- 明けましておめでとうございます。 ( 2018年1月1日 )
- 新年のご挨拶 ( 2017年1月1日 )