アレよという間に師走も下旬である。世間ではクリスマス・イヴという特別な日だ。こちらはというと、そんなことは一切関係なく、お葬式を終え、今日もまた新たなお葬式の知らせが入った。子どもの頃、父親との約束が反故になると、幼かった私は口を尖らせて文句を言ったのを憶いだす。約束はたしかに守るべきものだが、仕方なかったのだ。父とすれば、こんな日にお葬式を出す家こそ可哀相に思え、口を尖らせる我が子には怺えてもらうしかなかったのだろう。今日旅だったのは、母親に先立ち、三人の子どもを残して逝った若い母親である。今夜の子ども達はクリスマスケーキどころか母親の遺骨を前にして、今頃途方に暮れていることだろう。街を彩るきれいなイルミネーションが、彼らにはどんなふうに見えているのだろう。
2009年12月24日
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