先日、第10回日本認知症ケア学会の大会で、講演をさせていただいた。タイトルは「余白の美」。座長は認知症介護研究・研修東京センター長の本間昭先生。非常にエネルギッシュな感じの先生だった。聴衆はほとんど全国で実際に介護に当たっている人々だが、1500人以上はいたのではないだろうか。この学会、じつはここ数年、ものすごい勢いで会員が増大しているらしい。多彩なプログラムも人気の秘訣だろうが、なにより直接の関係者が増加していることが大きいだろう。むろん持論である「認知症」という呼称への抗議も交えたわけだが、本間先生によると、実際に現場にいる人ほど「痴呆」という言葉への抵抗はもっていなかったとおっしゃる。まさに我が意を得たり。「認知が入っちゃって」などという言語的倒錯をまずやめなくては、現場の人々の認知もおかしくなるに違いない。
2009年11月2日
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