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補償よりも土壌調査

 今日28日、JA全中の茂木会長や福島、栃木、茨城、群馬、埼玉、千葉6県の会長たちが仙谷官房副長官に、要請書を手渡した。何の要請かというと、「生産の再開が図られるよう、原発事故を早急に収束させる対策」だというのだが、同時に出荷停止処分を受けた人々や自粛している人々への補償、一時金などの特別措置も願い出ている。私はテレビで彼らが話す「汚染された作物」という言葉を漏れ聞いてしまったのだが、JAがそれを早々に認めてしまってどうするのだろう。私の手元には第二回の県内野菜の調査結果があるのだが、想像したとおり、喜多方や会津など、いわゆる会津地方の野菜は全く問題なしの結果である。国は「福島県産」すべての野菜について出荷・摂取を禁じる措置をとった。それに反発して調査の詳細を訴えるのではなく、JAはとにかく金銭補償を訴えたのである。これではグレーをブラックと認めたようなものではないか。たしかに風評被害は大きい。去年のうちに出荷した米まで戻されたという話も伝わってきた。それは消費者ではなく、愚かで冷たい販売業者のしたことである。しかしJAまでが同じ態度で売り物にならないと判断するのは早すぎないか? 今年のものが汚染されたものだとすれば、来年も再来年も、いや十年単位で風評は続くだろう。金をもらえばそれでいいという腐った根性は、なにより農業者を莫迦にしている。JAというのは、いったい何の組織だったか。言い訳は聞きたくない。私の手元にはもう一枚、問題文書がある。これは昨日(27日)の新聞に折り込まれたJAからの「東日本大震災にかかる対応について」と題された文書である。そこには土壌調査もまだ済まないというのに、「当面平成23年度産の米・青果物の春作業は時期に合わせ、従来どおり進めてください」とある。どういうことか。土壌に問題があれば手間暇かけても土壌改善をしなくてはならない。問題があるかどうか、それが気になって仕方ないというのが今の農家の心情ではないか。その農家の心情に与するのではなく、普通に植えておけば保証金がもらえるようにするから、「生産にかかる記録書面」を残しておくようにと、悪知恵を吹き込んでいるのである。生産し、出荷して収入を得るのは普通のことだ。しかし農家の人々に対し、JAは収入だけは得させるから廃棄される野菜を作れというのだ。JA、はて本当に何の組織だったっけ? 銀行か? 葬儀屋か? 着物や車の販売か? ああ、みんなやってたんだった。で、本業は何だっけ? もう役目を終えた組織に、農業者の未来を任せることはできない。そう思った三春町は、早速今日の防災無線で、「今年の作付けはなるべく遅らせるように」とアナウンスしたのである。とにかく急ぐべきは、補償よりも土壌調査のはずである。安全だと太鼓判を押されてこそ、清々しく施肥や播種ができるのではないか。愚か者や詐欺師を演じてまで金だけ得ようとする農業者など、いないはずである。