日: 2009年1月13日

冬の景色

年が明けてから忙しい日々が続いている。年頭の恒例行事もあるが、なによりお葬式が続いていることが大きい。そんな日々ではあるが、ちょっと忘れられない冬の景色を見た。10日、静岡に出かける用事があったのだが、一つはそこで見た富士山と満月。夕方の澄んだ空をキリキリと穿つような、雪に大きく被われた群青の山。それはあまりに美しかった。そしてその横に、信じられないほど圓かな月。なんだかご褒美のようだと感じた。また12日の早朝、滝桜の子桜を作りつづけた宗像宗光さんの乗った霊柩車を先導し、火葬場に向かう道すがら、故人の遺言で滝桜の横を通ったのだが、厳冬の滝桜も格別の美しさだった。風はなく小雪が舞い降りるその中に、それは本当に静謐な、いわば捨てきったような姿だった。102歳で亡くなった宗像宗光さんの「韜光院」という戒名が、冬の滝桜にも似合っていた。