日: 2011年2月3日

節分

 今日は節分で、近くのお寺の行事に出かけてきた。お経を唱え、渡された一升枡のなかの落花生やミカンや硬貨などを、「福は内、鬼は外」と叫びながら外廊下で撒く。境内には大勢の檀信徒さんたちが、むくむくの防寒具に包まれて白い息を吐いている。「今年はミカンが高いので、投げないで手渡して」と住職さんが言うので、私は近くの人にミカンはそっと配り、それから硬貨は子供のほうに放り、そして最後に残った炒り豆だけ、右手一杯にまとめて遠くへ投げた。するとその豆は、なぜかまとまったまま飛んでいき、ある女性の、ふいに上げた顔にまともに全部当たったのである。けっして狙ったわけではないのだが、女性は泣きそうな顔で私を睨んだ。私がそのとき叫んだのが、「福は内」ではなく、「鬼は外」だったのもいけなかったのだろう。ごめんなさいね、お姉さん。今年は当たり年にしてください。それにしても、ミカンや硬貨じゃなくて本当によかった。