久しぶりに小説集『テルちゃん』が刊行になった。いや、思えば連作の小説集は初めての出版なのだった。なんだかとても嬉しい。収録された3作は、なんと2004年から2008年にかけて、つまり4年にまたがって書いたものだ。
その間にはテルちゃんと同じような日本在住のフィリピン人も増えてきている。介護や看護の分野での日本進出も今後は進みそうだ。テルちゃんもそうだが、彼らにはカトリックの教えが染み込んでいることが多く、懐かしいような気分を感じることが多い。今回の作品中のタガログ語についても、檀家さんに嫁いでいるフィリピン生まれの女性何人かに助言をいただいた。またフィリピン女性と結婚され、ネット上でさまざまな相談に応じていらっしゃる飯島さんにも随分お助けいただいた。謹んで感謝申し上げたい。