今日はお釈迦さまが亡くなったとされる、旧暦2月15日、十五夜である。うちの庭には紅梅が咲き、月は満月で、しかも雪が残っている。「雪月花」が一遍に見られ、そのうえ涅槃会とお彼岸の重なった、奇特な一日である。しかしこんな日にも、チベットの僧侶たちの気持ちは、穏やかではないのだろう。オリンピックを前にした中国の情勢は、まるで子供の頃、県からの視察を前にした小心者の校長のようだ。小心者だけに思いきったことをする。その日だけ特別な掃除をしたって仕方ないだろうと、子供心にも思っていたものだ。餃子事件についても、そう思っている中国人はいるのだろうか。どうにも謎に包まれた事件だが、赤福のように内部告発が起こらない体質がちょっと怖い。むろん、赤福も褒められたものではないのだが……。それにしても、春の彼岸というのはどうしてこうも突飛で恐ろしいことが起こるのだろう。イラクの空爆も、忘れもしないお彼岸の、小中学校の卒業式の日だった。